2021.09.23
気になる!植物の専門用語~初級編~
皆さまこんにちは。
マナズグリーンSTAFF のしゅんです。
最近天気も安定してきて、「夏型」も「冬型」も育ち盛りなこの季節!
緊急事態宣言の延長で、お家時間も増えて塊根植物や多肉植物を育て始めたという方が多くなった気がします。
そんな始めたての皆さんが一番気になるのは、やっぱり植物の育て方ではないでしょうか?
お気に入りの株を枯らさないためにインターネットや雑誌などで、情報を得て実践する。
ユーチューブの動画でわかりやすく解説してくれる方も居たり
何でもかんでも、調べたら植物についての育て方が出てくるいい時代になったなーと思います。
しかし、どの記事を見ても
徒長や根腐れ、実生や現地球など専門用語のオンパレード
あれ?ちょっと待ってこの用語わからないんだけど。
確かに育て方は書いてあるけど、肝心な専門用語の説明がどこにもないよ。。。
どんどん先に行かないで~。
といった経験はございませんか?
かくいう僕もその一人でした、、、
専門用語は後回しにして、わかるところだけで育て方の実践。
実際それでもなんとなく育てることが出来ていましたが、
意味が分かるようになったのは2か月後、、、
それからというもの、生育順調にカッコよくなる姿を見て
2カ月前に知っていたらな~と後悔したこともありました。
そう、専門用語を知らなくても育てることはできますが
どうせならかっこよく仕立てたい!
特にアガベは、品種や血統が同じでも育て方によって大きく異なる形になることもあるので
専門用語を知って、正しい育て方をするだけでも、かっこよく仕立てることが可能なんです!
今日はそのとても大切な専門用語を一挙に解説していこうと思います。
それでは行きましょう!
1、実生
まず冒頭でも書きました「実生」から説明していこうと思います。
読み方は「みしょう」と言い、簡単に言うと”種から育てられた株”ということになります。
「国内実生」と書かれていれば、日本で種から発芽させて育てた株ということですね。
「実生」は種から育てたということで、生産者さんにもよりますが
作りこまれて洗礼された形が多いような印象。
「国内実生」は日本で管理しているということもあって
日本の激しい四季に順応している株が多く
本来、暖かい地域に自生している植物でも
比較的寒さに強くなっている株が多いので、初めての方は「国内実生」がオススメです。
ちなみに「実生」とだけ書いてある場合は「国内実生」である場合がほとんどですが、
まれに「タイ実生」や「台湾実生」など、他国の実生株も混ざっているので
どうしても気になる方は、販売元に確認するといいかもしれません。
2、現地球
お次に「実生」とよくセットで使われる「現地球」について説明します。
読み方は「げんちきゅう」と言い、簡単に言うと”原産地で長い年月をかけて、自然が作った野生の株”ということになります。
「実生株」は水や温度などを管理され、一から人工的に仕立てられた株に対し
「現地球株」は激しい雨風や強い日差しにさらされ、長い年月をかけて自然が作りあげた野生の株なので
現地球でしか味わえない、貫禄や深みがあり、ついでに株の歴史を感じることが出来るので、
一部、塊根マニアの方は現地球一択という方もいるほどなんです。
実生
現地球
パキポディウム一つとっても、実生と現地球の違いは歴然。
形や色、性質などが違うので好みになってしまうのですが
やっぱり現地球にあこがれてしまうものですよね、、、
色や形、何かびびっと来た方は
海を越えてはるばるやってきた子たちをお迎えして可愛がってあげて下さい!
3、挿し木
こちらも大事な用語なのでチェックしておきましょう!
読み方は「さしき」と言い”株の一部(枝など)を切り取り、発根させて増やした株”ということです。
挿し木は簡単に増やせる一方、親株と同じクローンでありながら違う形に育ってしまうというデメリットがあります。
しかし、かっこいい挿し木もあるので、探してみるのも楽しいかもしれません。
4、接ぎ木
読み方は「つぎき」と言い、簡単に言うと”2つ以上の植物を人工的にくっつけた株”ということになります。
基本的に接ぎ木の土台は、近い分類どうしの丈夫な性質を持つ植物を使い
上部にくっ付けた植物は、下の植物から栄養をもらい生きるという面白い育ち方をします。
性質が難しい植物でもこのやり方をすれば比較的育てやすいのが魅力ですね。
接ぎ木をした植物はおもしろい形をした植物が多いので、珍しい植物好きな方は是非!
5、抜き苗、ベアルート、未発根
よくアガベを調べていると「ベアルート株」「抜き苗」「未発根」という表記を目にするかと思います。
この表記があるものは全て”根っこが生えていない状態の株”をさす言葉で、多くは外国から輸入されてきた株になります。
では、なぜ根っこが生えていないのかというと。。。
外国から日本にやってきた植物たちは、植物検疫を通すために根の土を落とす=根をカットしなくてはならないからです。
海外から持ってきたカッコイイ植物を日本で育てるのはやむ負えないこととなんですね。。。
6、発根管理
先ほども書いたように、外国から輸入された株は根をカットされて入ってくるので
日本で育てるには発根管理をしなくてはなりません。
発根管理とは、その根っこを生やす作業の事を言います。
抜いてみないと根が生えているか生えていないかわかりませんが
この表記があった場合は未発根、もしくは次にご紹介する状態であると言えます。
7、初期根(しょきね)
発根管理中の第2ステップである初期根。
日本で発根管理をして”数mm~数cm根が出た状態”の事を指します。
まだ不安定ではありますが、ここまでくればもう安心
後は伸ばすだけなので、水のやりすぎ、根腐れに注意しながら管理してあげましょう。
8、根腐れ
一番よく聞く言葉なんじゃないでしょうか?
そして塊根植物、多肉植物を育てる上で一番気を付けないといけないことでもあります。
主な原因として、通気性の悪さや水のやりすぎなどがあげられます。
土が湿った状態が続くことによって、乾燥を好む植物たちは
必要以上に与えられた水を吸い上げられず、おぼれて根が腐ってしまうのです。
詳しくは、記事にしているので是非ご覧ください!
9、徒長(とちょう)
植物は基本的に太陽に向かって成長していきます。
しかし、その太陽が当たらなくなってしまうと
光を求め上へ上へ間延びしながら伸びていってしまうのです。
この間延びした、だらしない姿になってしまう現象を徒長と言います。
植物の反応としては正常ですが、観葉植物としておくのであれば
引き締まったかっこいい姿であってほしいですよね!
特にアガベは徒長してしまうと、かっこよさが激減してしまうので
しっかりと日光に当ててあげましょう!
10、葉焼け
徒長が怖いからと言って多肉やアガベ、観葉植物をガンガン直射日光に当てていると
葉焼けを起こしてしまう可能性があります。
字の通り葉が焼けてしまう現象ですが、
特に根がしっかり生えていない株に起こりやすいです。
未発根のアガベやパキポなどは直接日光に当てず、
明るい半日陰で管理すると葉焼けを防げるのでオススメです。
いかがでしたでしょうか?
今回は初級編ということで簡単に植物用語を説明してきました。
少しでも皆様の悩みが解決されたら嬉しいです!
最後までご覧いただきありがとうございました。
素敵な園芸ライフになりますように。。。